NEAT(非運動性活動熱産生)とは?日常生活で消費カロリーを増やす方法
はじめに
健康診断で血糖値や体重が気になり始めたものの、
忙しくて運動の時間がなかなか取れない、と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、消費カロリーを増やす方法は、ジムでの運動だけではありません。
家事や通勤、立ち仕事といった日常の動きも、エネルギー消費に関わっていることが知られています。
それが「NEAT(非運動性活動熱産生)」という考え方です。
この記事では、NEATの基本的な仕組みと、血糖値が気になる方が今日から取り入れやすい工夫について、やさしく解説します。
NEAT(非運動性活動熱産生)とは
NEATとは、「Non-Exercise Activity Thermogenesis」の略で、
運動以外の日常生活の動きによって消費されるエネルギーのことです。
家事をする、階段を使う、立ったまま作業する、こまめに歩く。
こうした一つひとつの動きが、NEATに含まれます。
私たちが1日に消費するエネルギーは、大きく分けると次のように整理されます。
- 基礎代謝(安静にしていても消費されるエネルギー)
- 食事誘発性熱産生(食事を消化・吸収する際に使われるエネルギー)
- 運動によるエネルギー消費
- NEAT(運動以外の日常生活動作によるエネルギー消費)
このうち、運動の時間を確保しにくい方でも増やしやすいのが、NEATの部分です。
なぜNEATが重要なのか
NEATは、人によって差が大きいことが指摘されています。
同じような体格や生活環境でも、
日常的によく動く人と、座っている時間が長い人とでは、1日の消費カロリーに差が出る可能性があるとされています。
現代の生活は、デスクワークや車移動が中心になりやすく、座っている時間が長くなりがちです。
座っている時間が長いほど、NEATは少なくなる傾向があります。
NEATは、特別な運動習慣がなくても、日常生活の工夫だけで増やせる点が特徴です。
忙しくて運動の時間を確保しづらい40代・50代の方にとって、取り入れやすい考え方といえるでしょう。
NEATと血糖値の関係
身体を動かすことは、血糖値に関係する要素のひとつとして注目されています。
筋肉を使うと、血液中のブドウ糖が筋肉に取り込まれやすくなる仕組みがあるためです。
座っている時間が長く続くと、血糖値や代謝に影響する可能性があることも報告されています。
反対に、こまめに身体を動かす時間を増やすことは、生活習慣改善の一つとして位置づけられています。
ただし、NEATを増やすことだけで血糖値が下がると断定することはできません。
食事内容や睡眠、治療状況など、血糖値にはさまざまな要因が関わっています。
健康診断で血糖値やHbA1cの数値を指摘された方は、
自己判断だけで対応するのではなく、必要に応じて医療機関に相談しながら、生活習慣を見直すことをおすすめします。
日常生活でNEATを増やす実践方法
NEATは、特別な時間を作らなくても、生活の中の選び方を少し変えるだけで増やしやすいといわれています。
- エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う
- 一駅分、または一区間分を歩く
- テレビを見ている間に立つ時間を作る
- こまめに席を立って家事や片付けをする
- 電話中は座らず、立った状態で話す
- 駐車場では、入口から少し離れた場所に停める
これらは、どれも今日から始められる小さな行動です。
すべてを一度に取り入れる必要はありません。続けやすいものから一つ選ぶことが大切です。
座りっぱなしを防ぐ工夫
デスクワークが中心の方は、1時間に1回程度、立ち上がって伸びをしたり、軽く歩いたりする時間を作るとよいでしょう。
スマートフォンのタイマー機能を使って、座りっぱなしの時間を区切る方法も取り入れやすい工夫の一つです。
コンビニ・外食生活でもできるNEATの工夫
外食やコンビニを利用する機会が多い方でも、NEATを増やす工夫はできます。
- 車を使わず、歩いてコンビニまで行く
- ランチの後に、少し遠回りして職場に戻る
- 買い物のとき、カートに頼らず手に持てる範囲で歩く回数を増やす
- 昼休みに5分程度の散歩を取り入れる
食事の選び方については、コンビニ生活でも血糖値は下げられる?実際にやった食事の選び方でも詳しく紹介しています。食事と活動量の両方を意識すると、より生活に取り入れやすくなります。
NEATを増やす際の注意点
NEATを増やすことは、基本的に取り入れやすい工夫ですが、いくつか注意したい点があります。
膝や腰に持病がある方、医師から運動を制限されている方は、無理に活動量を増やさず、医師に相談しながら進めてください。
急に活動量を増やすと、転倒やけがにつながることもあります。
少しずつ生活に取り入れることを意識しましょう。
また、NEATは生活習慣改善の一つの考え方であり、治療や薬の代わりになるものではありません。
薬を服用中の方は、自己判断で薬の量や治療方針を変更しないようにしてください。
血糖値の数値に大きな変動がある場合や、体調に不安がある場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
健康管理士ワンポイント
NEATを増やすコツは、「運動」として意識しすぎないことです。
家事や通勤など、すでに行っている動きを少し増やすだけでも十分です。
続けやすい工夫を一つだけ選び、毎日の生活に自然に組み込んでいきましょう。
まとめ
この記事では、NEAT(非運動性活動熱産生)について解説しました。
ポイントは次の3つです。
- NEATとは、運動以外の日常生活動作によって消費されるエネルギーのこと
- 座っている時間が長いと、NEATは減少しやすい傾向がある
- 階段を使う、こまめに立つなど、小さな工夫で増やせる可能性がある
まずは、今日の生活の中で一つだけ、階段を使う、一駅分歩くなど、続けられそうな行動を選んでみましょう。
FAQ
Q1. NEATは運動とどう違いますか?
NEATは、ジムでの運動やウォーキングなど意図的な運動とは異なり、家事や通勤、立ち仕事といった日常生活の動きによるエネルギー消費を指します。運動の時間が確保しにくい方でも取り入れやすい点が特徴です。
Q2. NEATを増やすだけで血糖値は改善しますか?
NEATを増やすことは生活習慣改善の一つとして位置づけられていますが、それだけで血糖値が改善すると断定することはできません。食事内容や治療状況なども含めて、総合的に見直すことが大切です。
Q3. NEATを増やすには、どのくらいの時間が必要ですか?
決まった時間の基準はありません。1時間に1回立ち上がる、一駅分歩くなど、生活の中で小さな動きを増やすことから始めるとよいでしょう。
Q4. デスクワーク中心の生活でもNEATを増やせますか?
可能です。座りっぱなしの時間を減らすことがポイントになります。タイマーを使って定期的に立つ時間を作るなど、無理のない範囲で工夫してみましょう。
Q5. NEATと基礎代謝は同じものですか?
異なります。基礎代謝は安静にしていても消費されるエネルギーで、NEATは運動以外の日常生活動作によって消費されるエネルギーを指します。どちらも1日の総消費エネルギーを構成する要素です。
参考文献
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動・運動」
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」運動療法に関する章
- Levine JA. “Non-exercise activity thermogenesis (NEAT).” Best Practice & Research Clinical Endocrinology & Metabolism, 2002.(PubMed掲載)
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※本記事は一般的な健康情報を提供するものであり、診断・治療を目的としたものではありません。症状がある場合や治療中の方は、医師などの専門家へご相談ください。
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