糖尿病予備群とは?健康診断で注意したい数値をわかりやすく解説【40代・50代向け】
はじめに
健康診断の結果を見て、
「HbA1cが6.0%だった」
「空腹時血糖が110mg/dLだった」
「糖尿病予備群と言われた」
そんな経験はありませんか?
突然「糖尿病」という言葉を聞くと不安になりますが、予備群の段階で気付けたことは決して悪いことではありません。
むしろ、今後の健康寿命を延ばすための大切なサインです。
糖尿病予備群は適切な生活習慣の改善によって正常範囲へ戻る可能性があります。
実際に、健康診断をきっかけに食事や運動習慣を見直し、数値を改善される方も少なくありません。
この記事では、糖尿病予備群とは何か、健康診断で注意したい数値、そして今日から始められる改善方法について解説します。
糖尿病予備群とは?
糖尿病予備群とは、
糖尿病ではないものの、正常とも言えない状態
を指します。
正式には
「境界型糖尿病」
「耐糖能異常」
などと呼ばれることもあります。
症状がほとんどないため、
健康診断で初めて指摘される方が少なくありません。
詳しくは
「血糖値が高いのに症状がないのはなぜ?40代・50代が見逃しやすいサイレントリスク」

も参考にしてください。
空腹時血糖値やHbA1cが正常でも、
食後だけ血糖値が高くなる
「食後高血糖」
が隠れている場合があります。
詳しくは
「食後血糖値とは?健康診断では分からない血糖管理のポイント」

をご覧ください。
なぜ糖尿病予備群が問題なのか?
糖尿病予備群だからといって、
すぐに体調が悪くなるわけではありません。
しかし、
放置すると糖尿病へ進行するリスクが高まります。
さらに、
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 腎機能低下
などのリスクも徐々に高まることが知られています。
詳しくは

も参考にしてください。
空腹時血糖値が100〜109mg/dLだった方へ
この数値は、医学的には「正常高値(せいじょうこうち)」と呼ばれ、正常範囲内ではあるものの、上限ギリギリにいる状態です。
健康診断の判定では「軽度異常」や「要経過観察」とされることが多く、「まだ病気じゃないから大丈夫」とスルーされがちですが、実はここが運命の分かれ道。
すでに体内では、食後の血糖値を下げるインスリンの効き目が少しずつ悪くなり始めている(インスリン抵抗性)サインの可能性があります。
40代・50代でこの数値が出た方は、数年後に予備群へステップアップさせないための「イエローカード」と捉え、間食の質や量を見直してみましょう。
特に
- 間食が多い
- 運動不足
- 睡眠不足
がある方は注意しましょう。
空腹時血糖値が110〜125mg/dLだった方へ
この範囲は、いよいよ本格的に糖尿病予備群(境界型)として扱われる数値です。
正常値(100未満)を完全に超えており、糖尿病の診断基準である「126mg/dL」のまさに手前まで迫っている状態です。
朝一番の、いちばん血糖値が下がっているはずの状態でこの数値ということは、膵臓(すいぞう)がインスリンを出す力が疲れてきているか、肝臓から糖が溢れ出ている可能性があります。
ですが、ここでガッカリする必要はありません。
この段階で食事の糖質量を適正にし、筋肉を動かす習慣を取り入れれば、膵臓の機能を回復させて正常値へ引き返せる可能性が十分に高い「ラストチャンスのゾーン」です。
▶「空腹時血糖とは?健康診断で見るべき数値をわかりやすく解説」

健康診断で血糖値を指摘された方は、その原因を知ることも大切です。

HbA1cが5.6〜5.9%だった方へ
HbA1cは、
過去1〜2か月程度の血糖状態を反映する指標です。
5.6〜5.9%は、
今後の生活習慣によって正常範囲にも予備群にも進みうる境界ラインです。
今の段階で改善に取り組むことが大切です。
詳しくは

をご覧ください。
HbA1cが6.0〜6.4%だった方へ
結論から言うと、この数値になった方は「今日から生活習慣を本気で変える」必要があります。
HbA1cの「6.5%以上」が糖尿病の診断基準となるため、6.4%はまさにその一歩手前、予備群の中でも最も糖尿病に近い段階です。
HbA1cは、赤血球の中のヘモグロビンにどれだけ糖がくっついているかを示す割合。
過去1〜2ヶ月間の「血糖値の平均値」を表すため、
たまたま前日に甘いものを食べたから高くなった、
という言い訳が通用しない「ごまかしの効かない数値」です。
しかし、実際にこの段階(6.0〜6.2%など)から一念発起して食事と運動を見直し、
半年後の検査で5.0代の正常値へ見事にカムバックされる方を、
私は健康相談の現場で何人も見てきました。
「手遅れ」ではなく「今すぐやるべき時」です。
そして、糖尿病予備群と診断された方の多くが気になるのが、
「今から改善して間に合うのか」という点です。
HbA1cは生活習慣の改善によって変化しますが、結果が見えるまでには一定の期間が必要です。
HbA1cは何か月で下がる?血糖値改善のリアルな期間を解説【40代・50代向け】

糖尿病予備群の主な原因
糖質の摂り過ぎ
- 菓子パン
- 甘い飲み物
- お菓子
などの摂り過ぎは、
血糖値上昇につながります。
運動不足
筋肉は糖を消費する重要な組織です。
活動量が減ると、
血糖値が上がりやすくなります。
睡眠不足
睡眠不足は、単に「体がだるくなる」だけでなく、血糖値コントロールに直接悪影響を与えます。
睡眠時間が短くなると、自律神経のバランスが崩れてインスリンの効き目が悪くなるだけでなく、
体内で「グレリン」という食欲を強烈に増進させるホルモンが増え、
逆に満腹を感じさせるホルモン(レプチン)が減ってしまうことが分かっています。
▶ グレリンとは?食欲ホルモンとの付き合い方【40代・50代向け】

つまり、寝不足の日は脳が自動的に「ドカ食いモード」になり、高血糖を招きやすくなるのです。
また、
夜遅い時間の食事や夜食の習慣も、血糖値管理に影響することがあります。
詳しくは
「夜食はなぜ太る?血糖値との関係をわかりやすく解説【40代・50代向け】」

をご覧ください。
睡眠不足と血糖値の関係については、
「睡眠不足で血糖値が上がる?40代・50代が知っておきたい睡眠と血糖値の関係」

で詳しく解説しています。
加齢による代謝の変化
40代・50代になると、
筋肉量や基礎代謝が低下しやすくなります。
若い頃と同じ生活をしていても、
血糖値が上がりやすくなることがあります。
糖尿病予備群と言われたらまず何をする?
食べ方を見直す
まずおすすめしたいのが、
食べ方の改善です。
例えば
- 野菜から食べる
- よく噛む
- 炭水化物だけで食べない
などです。
詳しくは

をご覧ください。
食品選びを見直す
特別な食品は必要ありません。
まずは
- 野菜
- 海藻
- 大豆製品
- 青魚
などを増やすことを意識しましょう。
詳しくは

の記事をご覧ください。
軽い運動を始める
激しい運動は必要ありません。
まずは
- ウォーキング
- 階段利用
- ストレッチ
などから始めましょう。
よくある質問
糖尿病予備群は治りますか?
糖尿病予備群と診断されても、必ずしも糖尿病になるとは限りません。
実際には生活習慣の改善によって数値が改善するケースもあります。
▶ 糖尿病予備群は元に戻る?改善できる人とできない人の違いとは【40代・50代向け】

ただし、
放置すると進行するリスクもあります。
症状がないので放置しても大丈夫ですか?
おすすめできません。
糖尿病予備群は、
実際には、血糖値が高くても自覚症状がほとんどないケースは少なくありません。
「元気だから大丈夫」と思っている方はこちらも参考にしてください。
▶ 血糖値が高いのに元気なのはなぜ?見逃しやすい危険サインとは

甘いものを完全にやめる必要がありますか?
必ずしもそうではありません。
量や頻度を見直すことが重要です。
極端な制限は長続きしないため、
継続できる改善を目指しましょう。
糖尿病予備群と診断されても、生活習慣の改善によって正常値へ近づける可能性は十分あります。
大切なのは焦らず、順番に取り組むことです。
▶ 血糖値改善のためにまず何をすればいい?40代・50代向け完全ロードマップ

▶ 【保存版】血糖値改善の始め方|40代・50代が最初にやるべき5つのステップ

まとめ
糖尿病予備群とは、
糖尿病ではないものの、
正常とも言えない状態です。
特に
- 空腹時血糖110〜125mg/dL
- HbA1c 6.0〜6.4%
の方は注意が必要です。
しかし、
予備群の段階で気付けたことは大きなチャンスでもあります。
今から生活習慣を見直すことで、
将来の健康寿命を大きく変えることができます。
健康管理士からのワンポイント
健康セミナーでお会いする40代・50代の方から、
「糖尿病予備群と言われたけど、まだ糖尿病じゃないから大丈夫ですよね?」
という相談を受けることがあります。
しかし実際には、予備群の段階こそが最も重要なタイミングです。
糖尿病になってから改善するよりも、予備群の段階で生活習慣を見直した方がはるかに取り組みやすく、改善もしやすい傾向があります。
私がおすすめしているのは、完璧を目指すことではなく、小さな改善を続けることです。
まずは食べ方を見直し、少し歩く習慣を作ることから始めてみてください。
監修・執筆
たけし@Kettouchi Lab
(健康管理士)
参考文献
・厚生労働省.標準的な健診・保健指導プログラム【令和6年度版】, 2024.
・日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.


